可動本棚の家 15 -内装工事02-
可動本棚の家はH2DO一級建築士事務所の事務所であり、私の自宅です。中古マンションをリノベーションしたSOHOとなります。
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2003年に物件を購入して2009年にSOHOとしてリノベーションしました。
今回も内装工事に関して書いてみたいと思います。
前回は床・壁・天井を整えましたが、今回は造作的な部分や設備系に関してまとめてみます。
ちなみに今回の施工部分は平面図ブルー部分の床下収納とオレンジ部分の上下間接照明です。
まずは床下収納の部分です。下地の骨組みを作っています。
見えない部分なので、既存フローリングもそのまま利用しています。
こちらは天井埋込み照明部分、照明とクリアランス分の掘り込みです。
手前には電気のケーブルが垂れ下がっています。
こちらは床埋込み照明部分、カバーは乳半アクリルを使用して間接照明とします。
そして最後にこちらは乳半ポリカボネート板の引戸です。ポリカボネートはガラスに比べ、軽くて割れの心配がありません。
上下の間接照明と一緒に引戸のレールも設置することで、シンプルなラインの納まりとします。
引戸を開いた状態では上下のラインのシャープな光となり、閉めると面の柔らかい光となります。
最後に、今回のプロジェクトでは面積が狭い事もあり、常設の照明はこの上下の埋込み間接照明のみとしています。足りない部分は足りない場所にスタンドや卓上の照明を使い必要な場所に光を作ります。オフィスなどでよくあるタスクアンドアンビエント(基本照明と局所照明)の考え方です。
室内全てを均等に明るくするのではなく、ベースの照明は最小限にして、必要なところに必要な明かりを足して行く、このプロジェクトではそのようなコンセプトの照明計画としています。
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可動本棚の家は、現在予約制でショウルームとして見学も可能ですので、ご希望の方は info@h2do.net までご連絡ください。
可動本棚の家 14 -内装工事01-
可動本棚の家はH2DO一級建築士事務所の事務所であり、私の自宅です。中古マンションをリノベーションしたSOHOとなります。
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2003年に物件を購入して2009年にSOHOとしてリノベーションしました。
今回は内装工事に関して書いてみたいと思います。
内装下地工事では、床・壁・天井、収納や造作を新しい間取りに合わせて作成します。
写真手前に既存のフローリングが見えます。
今回はコストも考え、既存フローリングを下地にして、新規フローリングを施工します。
天井も継ぎ接ぎになっていますが、既存天井も使える所は利用して、合わない部分を新規に下地を作っています。
こうした場合に継目の下地処理、パテ処理は丁寧にしても不陸(凸凹)や仕上げにヒビや割れが生じてしまうリスクは、基本的に新規材に比べて高くなります。
クライアントさんにしっかりメリットデメリットを説明し、理解して合意した上で行わないと後々問題になりがちです。
物事には何でもメリットデメリットがあるので、それを両方説明した上で、家づくりを進めることがとても大切だと思います。設計者とクライアントの関係性が良いと、良い建物が出来ると思います。
話がそれましたが。下記点検口追加です。
既存では点検口がなく、天井裏の配管等の点検に点検口があるのは良いのですが。
今回は既存の天井を多く残しているので、施工上点検口を作らないと配管が不可能だったため、新規に設置しました。これも既存天井再利用のデメリットの一つです。
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可動本棚の家 13 -解体02-
可動本棚の家はH2DO一級建築士事務所の事務所であり、私の自宅です。中古マンションをリノベーションしたSOHOとなります。
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2003年に物件を購入して2009年にSOHOとしてリノベーションしました。
今回も解体に関して書いてみたいと思います。
今回は前回の間仕切り等不要部分の解体に引き続き、床や天井部分の解体です。
二つの室を一つにするので、床レベルを合わせます。昔の建物なので床下も狭いです。
間仕切り撤去部分の天井です。解体すると下地が見えます。新築時は和風の天井だったことが分かります。コストの問題から今回、天井も部分解体で、天井部分は極力既存を下地として利用し、新規天井を作成します。
ちなみに1955-75年位の建物には鉄骨造の耐火被覆、鉄筋コンクリート造の断熱材として、アスベストが使用されている場合がありますので、注意が必要です。
対処法としては下記があります。
1.除去する
2.固化材によって固める(粉塵を飛ばないようにする)
3.天井や壁でアスベストを覆う(室内に入って来ないようにする)
撤去しなくても、3.の天井や壁で覆われていれば、危険度は低いとされていますが、
気になる方は、購入前に不動産屋さんなどに確認することをお勧めします。
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可動本棚の家は、現在予約制でショウルームとして見学も可能ですので、ご希望の方は info@h2do.net までご連絡ください。
可動本棚の家 12 -解体01-
可動本棚の家はH2DO一級建築士事務所の事務所であり、私の自宅です。中古マンションをリノベーションしたSOHOとなります。
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2003年に物件を購入して2009年にSOHOとしてリノベーションしました。
今回は解体に関して書いてみたいと思います。
工事請負契約終了後、工事を着工しますが、まずは、マンションのリノベーションなので、既存の解体から入ります。
解体にも内装を全て解体する方法と、部分的に解体する方法があります。
前者はスケルトンリフォームと言われ、構造躯体を以外は全て解体しゼロから内装を作ります。間取りも自由に出来ますし、設備関係も簡単に更新できます。その代わり、工事金額は掛かります。
今回のリノベーションでは、設備関係の配管が近年に更新されていたことと、コストの関係からも部分的な解体として、既存で利用できる物は極力利用する後者の方法を取りました。
解体しない部屋に荷物を置いておくことで、工事中の引越しの手間も省けたりします。
広いお家であれば、住みながらにして工事を行うことも出来ます。(当然、騒音等はありますが。)
さて、工事開始で間仕切り壁や押入など、不要な部分を解体して行きます。
あっという間に、間仕切り壁が無くなりました。
物が無くなって一体となった空間はとても広く感じます。
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可動本棚の家は、現在予約制でショウルームとして見学も可能ですので、ご希望の方は info@h2do.net までご連絡ください。
可動本棚の家 11 -見積もり-
可動本棚の家はH2DO一級建築士事務所の事務所であり、私の自宅です。中古マンションをリノベーションしたSOHOとなります。
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2003年に物件を購入して2009年にSOHOとしてリノベーションしました。
今回は見積りに関して書いてみたいと思います。
実施設計を基に、見積りを取ります。見積もりには大体2週間程度時間が必要です。
前回でも少しお話しましたが、クライアントさんのご希望等に合わせて、一社で決め打ちで見積りを取ったり、数社で合見積もりを取ったりします。
一社の場合はある程度金額を伝えて、そのゴールに向けて工務店さんと一緒に金額を詰めて行きます。合見積もりをとる場合は、提出された金額と内容を検討し、発注先を決定します。
見積りの依頼先は、クライアントのお知り合いの工務店をご希望される場合もありますし、こちら側で探して良い所を紹介して欲しいという場合もあります。
そしてそれらの工務店をミックスして合見積もりを取ったりもします。
見積りが提出されて、希望金額をオーバーしていた場合は金額調整を行います。
仕上げ素材(フローリングや壁材料)の仕様変更や、照明・電気、設備関係の数量やスペックの見直し、作り方や工程の見直しによる工賃の削減などを行います。
あとは、施主支給や、施主施工によるコスト削減という手もあります。
施主支給はクライアントがトイレやエアコンなどを直接購入し、現場に納品して設置は工務店にして貰うというかたちです。この際の注意点は支給品の現場への納期と受渡しを確実に行うことです。
施主支給だと受渡すまでの傷や故障は、工務店側は責任を取りません。納期が遅れると現場の工程へ影響を与えてしまいます。施主支給をする場合には、納期を確実にして、現場で立会いのもと支給品の受渡しを行うことをお勧めします。
もうひとつの施主施工はいわゆるクライアントが自ら施工するDIYですね。難易度が低く、代表的なものだと壁の珪藻土塗りや無垢フローリングのオイル仕上げなどがあります。
施主施工はコスト削減とともに、家に対して愛着が増すのと、その後のメンテナンスも自分で出来るようになるので、個人的にはとてもお勧めだと思っています。
上記の方法などを使って、見積りが纏ったら次はついに施工へと進みます。
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可動本棚の家は、現在予約制でショウルームとして見学も可能ですので、ご希望の方は info@h2do.net までご連絡ください。
国土交通省地盤データ
国土交通省の地盤データプラットフォーム1.0が公開されました。
国や自治体が保有するボーリングや地盤データがアップされています。
今後、3次元視覚データなどもアップデートされていくようです。
ご興味のある方は下記リンクをご連絡下さい。
国土交通データプラットフォーム1.0 Web
可動本棚の家 10 -実施設計-
可動本棚の家はH2DO一級建築士事務所の事務所であり、私の自宅です。中古マンションをリノベーションしたSOHOとなります。
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2003年に物件を購入して2009年にSOHOとしてリノベーションしました。
今回は実施設計に関して書いてみたいと思います。
パースや模型で基本設計が決定されたら、次は実施設計へと進みます。
実施設計は基本設計段階から比べて、納まりや仕様などを決めてます。実施図面から見積りや施工図を作成することができます。
平面詳細図
展開図(部屋の中央に立って東西南北の4面の室内壁を見た図面)
電気等の設備図面
その他家具図面や建具表、仕様書等の図面を書いていきます。
実施設計が終わりましたら工務店さんに見積りを取ります。クライアントさんの意向によって、1社に頼むか複数社で相見積もりをとります。
見積りが提出されたら、希望金額に合うように設計変更等を行い、工事金額に調整が着いたら、施工へと進みます。
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可動本棚の家は、現在予約制でショウルームとして見学も可能ですので、ご希望の方は info@h2do.net までご連絡ください。
可動本棚の家 09 -CGにてデザインを確認-
可動本棚の家はH2DO一級建築士事務所の事務所であり、私の自宅です。中古マンションをリノベーションしたSOHOとなります。
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2003年に物件を購入して2009年にSOHOとしてリノベーションしました。
今回は作成したCGにてリノベを説明してみたいと思います。
前回はある程度の図面やスケッチが纏った段階で、模型によるスタディを紹介しましたが、今回は3DCG(空間や立体などの3次元を、コンピュータの画面に描画したもの)によるスタディを紹介してみたいと思います。
前回は、模型をつくると、立体を色々な確度から自由に見ることが出来るので、雰囲気やスケール感が良くわかると言いましたが、3DCGでも立体を色々な角度から見ることが出来ます。
特に3DCGでは、模型に比べて色やテクスチャ(素材の質感)を簡単に設定出来る点や、実際に建物の中を歩くようなウォークスルーでのシミュレーションが便利です。
後は時間を掛けてレンダリング(プログラム処理による描画)すると、写真のように精巧な絵を描くことが出来ます。
今回はレンダリングしていない、ウォークスルーでデザインを確認している絵を紹介します。
まずは、鳥瞰で全体を確認している画面です。
次に、人の目線にして玄関に立っている画面です。
玄関のタイルテクスチャーがわかりやすいです。
そして、リビング全体を見渡している画面です。
これは床上げした個室部分を見ている画面です。
そして最後にキッチンを確認している画面です。
レンダリングしないウォークスルーアニメーションだと、素材感の精度が落ちたり、影や光の反射がないのですが、ザックリと確認するには十分だと思います。テクスチャーもその場ですぐに変更して、色々とデザインを検討する事も可能なのでとても便利です。
図面や模型ではイメージが沸かない、というクライアントさんには、CGのウォークスルーを作成するととてもわかりやすいとよく言われます。
最近ではBIMで設計を行なっているので、SNSでパソコン画面共有で打ち合わせすることもよくあります。遠隔地での設計などではとても便利です。
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可動本棚の家は、現在予約制でショウルームとして見学も可能ですので、ご希望の方は info@h2do.net までご連絡ください。
可動本棚の家 08 -模型にてデザインを確認-
可動本棚の家はH2DO一級建築士事務所の事務所であり、私の自宅です。中古マンションをリノベーションしたSOHOとなります。
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2003年に物件を購入して2009年にSOHOとしてリノベーションしました。
今回は作成した模型にてリノベを説明してみたいと思います。
通常、設計の流れとしてはお客さまからの要望を聞いて、打合せなどを通してコンセプト決定します。その後スケッチやヴォリューム模型、図面などでレイアウトなどを検討していきます。
デザインがある程度纏ったら、模型を作って立体的にデザインを確認します。
模型をつくると、立体を色々な確度から自由に見ることが出来るので、図面では分からない雰囲気やスケール感が良くわかります。
今回は前回の可変する間取りを模型で見てみたいと思います。
01_ワンルーム状態:一体空間として使用できます。
02_1LDK状態:引戸や可動家具で仕切ることで、1LDKとして使用できます。
03_1LDK状態2:引戸や可動家具で仕切ることで、1LDKとして使用できます。
04_2LDK状態:引戸や可動間仕切り、可動家具で仕切ることで、2LDKとして使用できます。
引戸や可動家具や間仕切りの組合せで、音は繋がるけど視線は遮られた、ゆるやかに繋がったワンルーム空間なども作ることが出来ます。
前回の図面に比べると大分立体のイメージが分かりましたでしょうか?
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可動本棚の家は、現在予約制でショウルームとして見学も可能ですので、ご希望の方は info@h2do.net までご連絡ください。
可動本棚の家 07 -間取りが変わる間取り-
可動本棚の家はH2DO一級建築士事務所の事務所であり、私の自宅です。中古マンションをリノベーションしたSOHOとなります。
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2003年に物件を購入して2009年にSOHOとしてリノベーションしました。
今回はリノベーションの間取りに関して纏めてみたいと思います。
”機能や用途、使用目的から時間軸を取り入れた4次元で空間を考える可変・可動性のあるデザイン”のコンセプトを受けて、今回は可変式の間取りに関して纏めて見たいと思います。
まずはBeforeのリノベ前。1LDKの間取りです。
次に、Afterのリノベ後。
必要最小限諸室サイズと動線のコンパクト化.空間の立体的利用として 5畳分の床下収納を設けました。
そして可変空間空間の説明。
01_ワンルーム状態:オレンジの部分をリビングとして一体空間として使用できます。
02_1LDK状態:赤線部分を引戸や可動家具で仕切ることで、オレンジのリビングと水色の部屋で使うことが出来ます。
ちなみに水色の部屋の下部は全て床下収納になっています。
03_1LDK状態2:青線部分を引戸や可動間仕切りで仕切ることで、オレンジのリビングと緑色の部屋で使うことが出来ます。
04_2LDK状態:赤線と青線部分を引戸や可動間仕切り、可動家具で仕切ることで、オレンジのリビングと緑色、青色の部屋で使うことが出来ます。
あとは、例えばワンルームに可動家具を引出し、音は繋がるけど視線は遮られた、ゆるやかに繋がったワンルーム空間なども作ることが出来ます。
そして可変空間は、イベントや必要機能によって間取りを変えることに加えて、夏は通風をよくするために、ワンルームやゆるやかに繋がったワンルーム状態。冬は暖房効率を上げるために、小割の2LDK状態にしたりと、季節やその日の環境に合わせて間取りを変えることが出来ます。
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可動本棚の家は、現在予約制でショウルームとして見学も可能ですので、ご希望の方は info@h2do.net までご連絡ください。