可動本棚の家 06 -設計コンセプト02 4次元空間利用-
可動本棚の家はH2DO一級建築士事務所の事務所であり、私の自宅です。中古マンションをリノベーションしたSOHOとなります。
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2003年に物件を購入して2009年にSOHOとしてリノベーションしました。
今回もリノベーションの設計コンセプトに関して纏めてみたいと思います。
今回は前回に続き、設計コンセプトの話です。
前回は下記2点を纏めました。
・2次元にて必要最小限の諸室サイズとのレイアウトで動線をコンパクトに纏める
・3次元にて、空間の立体的利用、6畳分の床下収納
今回はそこからさらに要望を細かく検討します。
2LDKの内容は、寝室と書斎とリビングとダイニングとキッチンです。
この中で書斎に関しては、絶対必要という要望でした。
理由はコーチングという週数回で1回1時間の電話でのやり取りのために、プライベートな空間が必要だからです。
週3回として3時間。3/168時間。56時間に1回、1時間使われます。
限られたスペースの中で、この空間はかなり勿体無いのですが、リノベのポイントなので、無くすわけには行かない。
そんな中で、時間軸に注目しました。4次元で空間を考えるということです。
簡単に言うとたまにしか使わないので、使いたいときだけ現れて使わないときは無くなる可変式の書斎を考えました。使わない時は広々リビングで、使うときはリビングの中に書斎が現れるイメージです。
このように一旦3次元の空間に時間軸を入れて、4次元で考え始めると寝室も寝るときだけ使う部屋になります。よってベットではなく布団にすれば、寝室で布団を仕舞えば別の部屋として利用できる。と考えました。
結果として可動本棚の家のコンセプトは、機能や用途、使用目的から時間軸を取り入れた4次元で間取りの変わる空間。となりました。
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可動本棚の家は、現在予約制でショウルームとして見学も可能ですので、ご希望の方は info@h2do.net までご連絡ください。
可動本棚の家 05 -設計コンセプト01-
可動本棚の家はH2DO一級建築士事務所の事務所であり、私の自宅です。中古マンションをリノベーションしたSOHOとなります。
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2003年に物件を購入して2009年にSOHOとしてリノベーションしました。
今回はリノベーションの設計コンセプトに関して纏めてみたいと思います。
今回は、前回紹介した要望の
”1LDKを2LDKにして、リビングを広くしながら、収納量もアップする。”
という物理的には成立しそうにない要望を受け、この要望を解決する際に考えたことを纏めてみます。
まずは、既存1LDKの間取りの寝室や洗面スペースを、物理的に小さくすることと無駄な動線の排除から始まりました。必要最小限の諸室サイズとのレイアウトで動線をコンパクトに纏めます。この操作にてある程度リビング空間を広く出来ますが、もともと10坪という小さい空間のため、すぐに限界がきます。
次に考えたのは空間の立体的利用です。2次元ではなく3次元利用にて空間を有効活用します。今回は収納量アップのために寝室の床下を全面収納を考えました。さらに無駄を省くために、主な収納物のサイズを調べて、それらがうまく納まるような最適な寸法に調整しました。
地味な作業ですが、これが後々結構効いてきます。これで、6畳分の床下収納が出来たので、収納量アップの部分はかなり解決しました。
なお、収納物は所有者によって分けるのではなく、空間に有効におさまる場所に納めるという方法で効率化を図りました。誰々の本棚やクローゼットではなくて、共用の本棚やクローゼット。ということです。
これら変更でリビングも(多少)広くなり、収納量もアップして、要望はある程度満たせているのですが、空間的にはあまり変化や面白さがない。そんな状態でした。
よってここからさらに要望を掘り下げて行く作業に移りました。
続きは次回に纏めてみたいと思います。
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可動本棚の家 04 -リノベ要望-
可動本棚の家はH2DO一級建築士事務所の事務所であり、私の自宅です。中古マンションをリノベーションしたSOHOとなります。
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2003年に物件を購入して2009年にSOHOとしてリノベーションしました。
今回はリノベーションの要望に関して纏めてみたいと思います。
可動本棚の家は自宅件事務所ですので、要望をヒアリングしたのは私の妻です。
ヒアリングの際にはいつも現実的な制約をあまり気にせず、理想の要望をできる限り出してください。というかたちで進めます。弊社では、はじめに要望を可能な限り拡散させて、それを収束するかたちでコンセプトや案をまとめていくからです。
初期のアイデア段階ではコンセプトや案の変更は容易ですが、実施設計や現場段階で新しい要望が出てしまうと、膨大な作業が必要になりますので。
さて、要望は大体下記のようなものでした。
・リビングを現状より広くする
・個室を書斎を追加(1LDKから2LDKへ)
・全体の収納量アップとスキー板も収納出来るスペース
・誇りが溜まらない造付けの収納
・床暖房の追加
要望はリクエスト通り現実的な制約を気にせず、理想の要望を出してもらえました。
リビングを広くして個室を増やして1LDKを2LDKにして、収納量もアップする。
物理的には矛盾する要望ですが。。設計者として腕の見せ所でもあります。
機能的な要望を満たせば、デザインに関しては任せて貰える。
このような条件にて、設計はスタートしました。
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建材 MORTEX -薄塗りモルタル仕上げ-
お気に入りの建材、MORTEXです。衣装性と防水性が高く2-3mmという薄塗りで仕上げることができるモルタルです。素材はセメントと石灰などの鉱物からなっています。コテ塗りの仕上げていろいろな表情をシームレスにつくることができ、色調も可能です。
床・壁・天井と塗ることができ、薄塗りなので家具の天板や建具にもつかうことができます。
ただし、熱には弱いのでご注意ください。
あと、新築はもちろんですが、リノベーションなどで高さが取れないときなど、既存の床を下地にして、薄塗りの土間床も施工可能でとても便利です。お値段は少々お高いですが。
MORTEX website
可動本棚の家 03 -物件購入-
可動本棚の家はH2DO一級建築士事務所の事務所であり、私の自宅です。中古マンションをリノベーションしたSOHOとなります。
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2003年に物件を購入して2009年にSOHOとしてリノベーションしました。
今回は物件購入に関して纏めてみたいと思います。
中古マンションの購入は考えていましたが、具体的に期限を決めていた訳ではなく、ネットでの検索で相場を把握している程度でした。そんなある日散歩中にオープンハウスの看板が目に入り、大体の場所と金額と広さが探していた条件に合っていたので、参考までにという軽い気持ちで立ち寄りました。
実際に行ってみると、探していた以上に条件が良くほぼ一目惚れ?状態で”出会った”といった感じでした。
条件には入れていなかったのですが、良かった点は下記です。
・最上階であったこと(8階建の8階)
*採光と通風がよく上階の足音が無い。
・ベランダが広かったこと(5.4mx1.8m)
*中間期の週末にはいまだにベランダでご飯をよく食べます。
・ベランダからの眺望(新宿高層ビルが見えます。)
・北側道路で敷地は準工業地域、南側は住宅地域(日当たりが良く将来的に南に高い建物が建たず、部屋が南向きで採光と通風が良好です。)*東京は南北方向に風が吹きやすい土地です。
・一階がスーパーだったこと(買い物が便利です。)
*今はコンビニエンスストアになりました。
・借地権だったこと(イニシャルコストを下げることができます。)
とにかく最上階でベランダ広くて眺めが良かったことがとても魅力的でした。
あとは周辺の用途地域をみて、日当たりや眺望が今後も確保されることはとても大きなポイントでした。ので、そのまま購入の申込みをしました。
不動産の購入は最後は数字ではなく”感覚として気に入れるか”や”勢い”が大切だと、経験してみて思いました。
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可動本棚の家 02 -物件条件-
可動本棚の家はH2DO一級建築士事務所の事務所であり、私の自宅です。中古マンションをリノベーションしたSOHOとなります。
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2003年に物件を購入して2009年にSOHOとしてリノベーションしました。
今回は物件条件に関して纏めてみたいと思います。
不動産を探す際に必要な条件は3つあります。それは”場所”と”広さ”と”金額”になります。
三つの条件の概要は下記になります。
"場所"に関しては地域や近隣環境などありますが、駅近や会社の近くや、自然豊かな周辺環境など、比較的イメージはしやすいかと思います。
"金額"に関しては総予算になりますが、自己資金がいくら用意できるか確認することと、ローンにていくら借りれるか金融機関に確認します。借りれる金額も重要ですが、最終的に支払う金額も確認しておくことが重要です。
"広さ"に関しては、新築戸建2階建ロフト付きで100m2や、マンションであれば3LDK80m2などありますが、広告などの数字からイメージされている方が多く、実際には一般の方が住空間の広さをイメージすることは難しいと思いますが、これまで住んできた家や知人・友人の家などを参考にしながらイメージして貰えればと思います。
ちなみにH2DOではいえづくりワークショップを行っており、このワークショップでは家の広さに関して間取りでシミュレーションして、模型をつかって広さを体感して頂く、いえづくりのサポートをしておりますので、ご興味のある方はお気軽にご参加ください。
話が若干それましたが、これらの3つの条件の優先順位を決定しておくことで、物件探しがうまく進むと思います。一番重要な条件は固定しながら、その他の条件を変えて物件を効率良く探していくイメージです。
例えば、1.住みたい場所2.広さ3.金額という優先順位であれば、場所や広さは変更せずに、金額が合わなければローン額を増やす。といったかたちになります。
以上のように大体の相場と”住みたい場所と広さと金額”の優先順位がある程度、詰まってきたら不動産屋さんに相談して希望条件に合う物件を探して貰うという方法が効率が良いかと思います。
なお、可動本棚の家の物件の優先順位は 1.場所 2.金額 3.広さ でした。
場所に関しては妻が徒歩で会社に通勤できるところで、以前から住んでいる杉並区の古い住宅地の環境は気にっている。こちらがファーストプライオリティです。
金額に関しては家の購入に備えて頭金を準備していたので、総額から頭金を引いて借入金額を計算して、金利から総支払額をシミュレーションして大まかな目安を計算しました。
広さに関しては自分が設計できるので特に気にしていませんでしたが、50m2もあれば十分だと考えていました。あとはリノベーションをすることが前提だったので、間取りの変更自由度が低い可能性のある壁式鉄筋コンクリートは避けようかな。と少し思っていました。
このようなことを考えており、特に物件を探していたわけでもない状態で、可動本棚の物件に出会いまして、購入しました。次回は物件との出会いに関して書いてみたいと思います。
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可動本棚の家は、現在予約制でショウルームとして見学も可能ですので、ご希望の方は info@h2do.net までご連絡ください。
可動本棚の家 01 -ライフプランと物件購入-
可動本棚の家はH2DO一級建築士事務所の事務所であり、私の自宅です。中古マンションをリノベーションしたSOHOとなります。
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2003年に物件を購入して2009年にSOHOとしてリノベーションしました。
今回は物件購入前に考えていたことと現状に関して纏めてみたいと思います。
まず始めにライフプランに関してです。20代後半に纏めたものですが、40代の今も特に大きな変化はありません。こちらのプランのベースには広島の田舎に実家に土地がある点と、妻の実家のマンションが大阪の都心部にある点になります。
20代 :東京事務所に勤務
30歳 :独立
30代 :東京を拠点に関東圏で仕事+雪山拠点
40‐60才:広島や大阪にも拠点で全国で仕事
60‐70才:広島の自然豊かな環境で生活
80代 :利便性の高い都市で生活
このように考えると、独立開業を前提として仕事で場所を縛られないという事もあり、
私にとっての理想のライフスタイルは、その時の仕事や趣味などに合わせて拠点を移る、
多拠点生活ではないかと考えていました。
そのような長期的なことをイメージしながらも、まずは直近の30歳での独立という次のステージに会わせて、東京での拠点(事務所兼住居)として住宅の購入を考えました。
その際にライフステージから考えても東京の拠点は、ビジネス拠点であり60才までの30年間必要という認識でした。そうするとビジネス的には都心の立地、30年の拠点と考えると中古物件、ローコストと将来の売却を考えると、中古マンションという選択肢が有力な候補となりました。
そのような中で近所を散歩中に、オープンハウスの看板で見つけたのが可動本棚の家の物件でした。
物件購入の決め手は基本的な条件(場所・広さ・金額)があっていた点がありますが、築古ということもあり立地条件(準工業地域で北側道路、南側が住居地域)がとても良く、旧法借地権の物件で自主管理だったという点が決め手になりました。
借地権の物件は借地料のランニングはかかりますが、イニシャルコストは低くなります。自主管理は委託管理ではないので管理費が安くすみますし、何より自身が設計事務所なので修繕計画なども受け入れられれば計画できる。という利点がありました。
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可動本棚の家は、現在予約制でショウルームとして見学も可能ですので、ご希望の方は info@h2do.net までご連絡ください。
店舗キットSERIES1
今回はいえキットSERIES4と同時に、店舗キットSERIES1を開発しました。
店舗キットSERIES1はワンオペレーションの小規模飲食店を想定した、空間ワークショップキットです。
キットの内容は保健所にて求められる、手洗いや2層シンクなど飲食店開業に必要な設備が組込まれています。
飲食店開業前に物件の大きさに合わせて、厨房の大きさや客席数をシミュレーションすることもできます。
いえキット SERIES 4
いえキット SERIES 4 のテストカットが上がってきました。
いえキットはいえづくりワークショップにつかうキットで、一般の方でも間取りや模型が簡単につくることができるキットです。
理想のいえの間取りをシミュレーションしたり、模型をつくって空間を疑似体験することができます。ご夫婦や家族にてワークショップを行うことで、言葉ではなく間取りや模型にて視覚化したり、空間を体験することで合意形成が容易になります。
ご興味のある方は下記リンクをご覧ください。
事務所紹介 可動本棚の家 -間取りの変わるマンションリノベーション-
本日はH2DO一級建築士事務所の事務所紹介です。場所は杉並区ですが、最寄駅は中野富士見町です。購入当時で築30年超えの中古マンションで、2009年に自宅兼事務所のSOHOとしてリノベーションをしました。
こちらのリノベーションの特徴は、可動家具や可動間仕切りによって間取りが変化することです。約10坪の広さを最大限有効利用するために季節や用途・イベントに応じて、間取りが変えられる仕組みとしました。
自宅兼事務所ということもあり、空間の雰囲気も変えられるように考慮してデザインしました。その他の部分では床は無垢材無塗装としたり、建具を実験的に極力薄くしたり、家具は大工家具でビスを現しにしてあります。一般的には躊躇しがちな危険側の収まりを、現物確認して頂けるショウルームとしております。
最近SUVACOさんに弊社の事務所を間取りが変化するリノベーションを、可動家具や建具の観点からわかりやすくまとめていただいたので、ご興味のある方は下記リンクをご覧ください。
建具(たてぐ)+家具=タテカグ。時間軸で間取りを変える<H2DO一級建築士事務所 久保和樹さん インタビュー>| 建具・間仕切り1|SUVACO(スバコ)
なお、弊社の事務所はマンションリノベーションのショウルームとして見学して頂くことも可能ですので、ご希望の方は下記メールアドレスにお気軽にご連絡ください。
info@h2do.net